面接でESより成績表で質問する企業が増える
大きく変化した新卒採用の選考スケジュールですが、面接の質問も変化が有る様です。
これまで就活での面接と言えばエントリーシート、所謂ESを基に質問を行っていたが、学生側が回答を事前に用意している場合が多く人物像が見えにくく、ES基準から成績表に沿った質問に変更している企業が多くなっているとの事です。
面接に成績表基準の質問を取り入れている企業として帝人とJTが挙げられています。
就職問題懇談会と言った団体も企業側に成績表を使用した面接を要望しており、新卒採用スケジュールだけでなく面接での質問も転換となりますかね。
一般的な新卒採用以外でも、就活サイトだけでなく転職サイトにも新卒予定者応募可能の求人が増えており、昨今の雇用情勢もあって意外な企業も転職サイトで募集をしていたりします。
この場合の採用面接では、ESや成績表を使用した場合もあれば、未経験者の中途採用面接と同様の場合が有りますので、受けてみると良いでしょう。
新卒採用で企業が最も重要視するのはコミュニケーション能力
経団連が新卒採用に関する調査を実施した結果、新卒採用で企業が最も重要視するのはコミュニケーション能力となっています。
その他に面接で重要視する要素として、主体性やチャレンジ精神と続いています。
その他の調査結果としては、新卒採用を実施した企業は減ったが採用人数を増やした企業は増加したとなっています。
最近は何でもコミュニケーション能力が話題となりますが、実際に面接官が判断するのは一緒に仕事が出来るかどうかですね。
誰も毎日怒っている様な人とは仕事したくないですし、話の受け答えがまともに出来ない人、言葉遣いや態度が悪い人は要注意です。
コミュニケーション能力で勘違いしてはいけないのが、面接で沢山話せば良いと言うことではない事ですね。
面接で沢山話すと言うことは、それだけ自分がしゃべっている時間が多いわけで、会話が成立していないことがあります。
聞かれた事に対し、要点をまとめ簡潔に分かりやすく論理的に話すことができれば大丈夫です。
話が下手でも特に気にする必要はなく、面接で緊張しているのも分かっているので、相手に何を伝えたいかを重点的に考えておけば良いでしょう。
しかしながら、応募者にコミュニケーション能力を求めるのではなく、面接官のコミュニケーション能力を上げた方が応募者とコミュニケーションを取りやすいのですけどね。
新卒採用の都市伝説
新卒の大学生の中では、大学生時代にサークルや部活動に入り、勉強をしっかりしている学生が内定を得やすいという都市伝説があるようですね。
この噂を否定するつもりはありませんが、根本的にそれだけが採用する要因ではないことが殆どです。
確かに、サークルや部活動をやっていたら面接での会話は弾むでしょうし、勉強をしっかりしていたら印象はいいかもしれません・・・が、それだけです。
採用側からの意見を言わせもらうと、そのサークルや部活動・勉強と、その会社・仕事を選んだ理由を結びつけてくれると非常に分かりやすく論理的思考をもっているという印象を受けます。
学生時代のアルバイト経験にしても同じことが言えます。
学生が出来るアルバイトは限られており、そういったアルバイト経験から、なぜいきなり商社やエンジニアを志望するのか、そこに至った経緯を知りたいのです。
サークルや部活動をしていなくても、その業界や職種に興味があり、自分でどのような行動を起こしていたかを語る事ができれば同じことです。
勉強をしっかりやっていたなら前述の通り成績表基準の面接を行う企業もありますが、「大学院行ってもっと勉強しないの?」などという意地悪な面接官もいますので、あまり過信しないようにしましょう。
要は、これまでどういう事に興味があり、行動し、現在に至っている自己紹介なり自己PRと、そこから応募に至る経緯をスムーズに説明できる事が求められるということですね。
面接を単なる学芸会や発表会ではなく、絶対に落とせない契約交渉や案件、大規模プロジェクトのプレゼンと置き換えて臨むと良いでしょう。
たとえ不採用になったとしても、必ず次の糧になりますよ。
とは言うものの、これら新卒採用における都市伝説の多くは、高度経済成長期やバブル時代の学閥によって広まったと考えられます。
部活動や勉強は50代や60代位の中高年層の面接官だと好印象だった事もありますし、サークル活動も特定業界の特的企業では好印象だった事も事実ではあります。
しかし、その様な採用を行った事でどうなったかはご存知の通りであり、現在においても好印象とする人もいますが採用に関して決定権や発言権など裁量権を持っている人には響きません。
聞きにくい待遇の質問をしてみよう
新卒採用に限らず企業の求人において残業時間、有給休暇取得率や取得日数、更に離職率や中途採用率など企業の情報公開が求められています。
企業側が自ずから公開する事が求められていますが、聞かれなければ答えないし公表もしない企業も多いです。
上場企業であれば殆ど公開されていますが、中には待遇について質問するとマイナス判定や不採用とする面接官もいるでしょう。
『面接で不採用となる質問』などと題された就活メディアの記事でも待遇に関する質問はタブーでNGワードとしている事が多いです。
しかしながら、どうしてもブラック企業には入社したくない応募者の方が多く、最近では不採用上等で待遇の質問をする応募者が多いですね。
売り手市場で複数社から内定を得ている人も多いでしょうし、従来通りの就職活動を行う人も少なくなってきたのでしょう。
とは言え、人気企業や有名企業など第一志望から第三志望迄になりやすい企業の採用担当者からは、そう言った愚痴は聞こえてきません。
応募者側も待遇について質問する企業と質問しない企業を区別している事が判ります。
先ほど書いた通り上場企業の多くは情報公開しており、自社WEBサイトや就職四季報で調べる事が出来ます。
このネット時代に、何処にも何も情報が掲載されていない企業は逆に敬遠される事が分かります。
募集しても人が集まらないと嘆いていた中小企業が、多くの情報を公開した途端に応募者が増えた事例も多々あります。
企業側も量より質で採用する訳ですから、新卒側も量より質で入社する時代となったのでしょうね。